17/18 ラ・リーガ第1節:アトレティコ・マドリードVSジローナ

久々の更新です。遂に17/18シーズンのラ・リーガが開幕しました。我がアトレティコは第1節、昇格組のジローナとの戦いでした。今回はその一戦のマッチレビューです。

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マッチレビューの前に軽く夏のおさらいを。アトレティコは補強禁止処分中のため大きくメンバーや戦術を弄ること無くシーズンインしました。特に主力のグリーズマン、カラスコの残留とサウールの契約延長は大きなものでした。ただ、絶対的守護神のオブラクに対してPSGから巨額のオファーが届いているようで、ヒヤヒヤした夏を過ごしています。

対する昇格組のジローナはクラブ創設以来のプリメイラ参戦ということで気合が入っています。メンバー表を見てみると聞いたことある名前や将来の有望株がチラホラと。ストークからレンタルで獲得したムニエサ、ミドルズブラから獲得したエスピノサは要注目です。それもそのはず、現在ジローナはマンチェスター・シティー等を傘下に収めるシティー・フットボール・グループの傘下に入っており、シティーからレンタルで数選手を獲得しています。

また、ジローナの魅力は選手だけでなく、その戦術にもあります。現在ジローナを率いるマチン監督はリーガでは珍しい3バックを軸とした戦術を好んで使っており、現代サッカーのトレンドもしっかり取り入れています。実際、この試合でもそういった場面が随所に見られました。

スタメン

 

アトレティコは普段着の4-4-2です。フィリペ・ルイスとゴディンが揃って欠場のため、代わりにルカスとヒメネスの若手2人がスタメンです。左SBの層が薄いのでちょっと心配です。

中盤は実際には左からコケ、ガビ、サウール、カラスコの並びが多かったですね。

対するジローナは、守備時はリトリートして5-4-1、攻撃時はアダイ&マフェオが1列上がり、ボルハ&ポルトゥが1列上がってストゥアーニと3トップを組むフラットな3-4-3の可変式を採用しています。また、マークが厳しい時はポンスとグラネルが縦の関係になることでダイヤモンド型の3-4-3に近い形になったり、かなり戦術的な完成度の高いチームだと感じました。

前半

前半は・・・というか、ゲーム全体を通して「ジローナが攻めて、アトレティコが守る」という展開に。各メディアは「意外な展開」と評しているところが多いですが、両者の「ボールを持ちたいジローナ」「堅守速攻を狙うアトレティコ」という思惑が見て取れる前半だったと私は思います。

と言ってもですね、アトレティコの鬼プレッシャーの中でボールを回せるチームなんてそこまで多くはないんですよ。そういった意味では、ジローナは「プレッシャーの中でボールを回せる自信」「明確なプラン」が最初からあるように感じました。

ジローナのビルドアップ

アダイ&マフェオが上がっていく形で、最終ラインも高めです。基本的にはCBから両サイドにロングボールを展開して相手のラインを下げたところでグラネルにパス、そこからアーリー気味のクロスをストゥアーニに当てるというのが前半の攻め筋でした。ジローナの先制点もこの形から生まれています。

ジローナの先制点を検証

先制点はアトレティコのミスをついた形で生まれました。アトレティコが鬼の4-4-2でジローナの攻撃を受けている場面。

まずはアルカラがボールを持ちます。この時、コケはマフェオについてしまうと中のポルトゥが空いてしまうためマフェオに付ききれません。アルカラからマフェオにボールが渡ります。

ハイ!ここ!

アトレティコの堅守はこのボールサイドへの鬼スライドと虫も通れないようなコンパクトさで出来上がっているわけです。ただ、この場面のように逆サイドのSB(WB)がどフリーになってしまうリスクも当然抱えているわけです。

ただ、この場面はいつもならまた逆サイドにスライドし直せばいいだけの話なんです。ただ、この場面カラスコの反応が遅れちゃってるんですよねー。カラスコはルックアップもあまりしないので、そのへんの甘さが失点へとつながってしまった印象です。

カラスコの反応が遅れたため、後ろから上がってきたグラネルに余裕を与えてしまいました。22分、ジローナ先制です。

正直、中で競り合うのがゴディンだったら・・・とは思いますが、十分防げた失点だったと思います。サビッチは攻撃面で沢山良さを出してくれますしね。

同じような形で、今度はセットプレーから25分の追加点も許してしまいます。グラネルからのFKをムニエサとヒメネスが競り合う形でゴール前に跳ねたボールをストゥアーニが頭で押し込んで追加点。グラネルからのクロスはジローナの重要な得点源になりそうですね。2点目もアトレティコのDF陣が下がってしまったためストゥアーニがフリーになってしまいました。

攻めきれないアトレティコのビルドアップ

アトレティコの最大の弱点は、「未だに構築しきれない遅攻」です。堅守速攻のチームによくありがちなところですが、相手にドン引きされるとロングボールを前線に放り込むだけになってしまうやつですね。コケやサウールがスペイン代表でプレーしているのを見ると「あれ?こいつらってこんな選手だったっけ?」ってなるのは私だけではないはずです。

それ以上にジローナの中を割らせない守備も見事でした。外を断って中を切るという守備が前半は徹底されていました。そのため、アトレティコは結局ロングボール頼みのパワープレーに頼らざるを得ませんでした。

アトレティコの頼みの綱の速攻も、ジローナのDF陣がカラスコやグリーズマン等のカウンター要員をしっかりケアしていたため、惜しい場面はありつつも攻めきれませんでした。いや、本当に昨シーズンまで2部だったんかい・・・。どっかの島国代表も見習っていただきたいです。マジで。

前半は2-0でジローナがリードした状態で折り返し。

後半

後半も前半と同じような展開が続きます。が、先に動いたのはアトレティコです。ファンフランに替えコレアを投入。3バックに近い並びに切り替えます。

コレア投入後のアトレティコの並び

コレア、グリーズマン、コケが流動的に動くことでようやくアトレティコが中央に攻め筋を作ることができました。が、ジローナも中は絶対に割らせないと意地のディフィエンスを見せます。

しかし、ここでアトレティコにアクシデントが。66分にグリーズマンがシュミレーションを取られイエローカード、それに対しての暴言で退場処分に。2点ビハインドの状況で10人で戦わないといけないという事態に陥ってしまいます。これにはシメオネも渋い表情。

・・・が、こういう状態になるとどういうことになるか、去年のPSGが改めて教えてくれましたよね。ジローナサイドも2点差で10人相手ということで集中力が落ちてしまったのでしょう。集中力が高いときの余裕は大事ですが、落ちてきたときの余裕は「慢心」になりかねません。こういうときに強いのがアトレティコというチームなわけですね。

アトレティコはガビ→ガイタン、トーレス→ビエットで交代枠を使い切ります。これでアトレティコはカラスコ、ガイタン、サウール、コレア、ビエットと足の速いドリブラーが揃いました。

ジローナも激しいアップダウンで体力的に限界に近いアダイに変えてプラナスを投入。

10人になったアトレティコの意地

10人になった後のアトレティコのビルドアップの図です。ガイタンは左WBのような動きを見せていました。

場面はゴールキックを受けたDF陣のパス交換からリュカがフリーでドリブルで持ち上がったところ。

ジローナの中盤の戻りが遅く、リュカがハーフウェーラインまでフリーで持ち上がることができました。

リュカからバイタルエリアで待つコレアへパスが渡ります。コレアは左足で受け、うまくターンしてドリブル開始。ポンスがケアに回りますがとき既に遅し。

流れに乗ったコレアがそのままDF陣を切り裂いて右足一閃。アトレティコが一点を返します。

ここのジローナDF陣の反応はあまり良くなかったですねー。ジリジリ下がるだけで、ボールに行ったのはプラナスのみ。バイタル割られた時点でプロフェッショナルファウルでもなんでもいいから止めるのが基本ですからね。バイタルを割られたときの対応は今後の課題になりそうですね。

その後、FKをもらったアトレティコがコケのクロス→ヒメネスの頭の形で追いつきます。

その後も互いにゴールを狙い続けますが、接触での負傷などもあり2-2でタイムアップ。アトレティコが追いついた形ではありますが、両者ともに課題の残るゲームだったと思います。

総評

ジローナの戦術がかなり完成度の高いものだった、というのが大方の見方だと思いますが、少し突っ込んだお話を。

ジローナは戦術は素晴らしいのですが、後は選手がついてこられるかどうかでしょう。めちゃくちゃスタミナがないときついと思うので、シーズン後半になってどう影響してくるか心配です。現に今回の試合でも後半戻りきれなかったMF陣が原因で失点を許しています。

ポジティブなポイントとして、グラネル→ストゥアーニのラインはポイントになるでしょう。後はリトリートした時のDF陣の対応がどうにかなればリーガでも脅威のあるチームになるでしょう。

さて、我がアトレティコです。やはり遅攻の形の構築が急務です。攻め筋が外のみというのは現代サッカーで勝っていく中で非常に難しいです。中を攻略する形を身につければCLも獲れると思います。

後はカラスコの守備でしょうか。ルックアップと守備の優先度というのを身に着けないとちょっと厳しいかなーと思います。守備意識が高いのと能力があるかは別ですからね。まだ若いですし、期待しています。

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