こんにちは。どーにゃです。
「配信を始めるならオーディオインターフェースは必須!」
そんな風に思い込んでいませんか?確かに一昔前まではそれが正解だったかもしれません。ですが、いまは高性能なUSBマイクやソフトウェアミキサーの進化により、その常識が揺らいでいます。
この記事では「本当にオーディオインターフェースが必要なのか?」を見直していきたいと思います。
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本当にオーディオインターフェースが必要なのか?を考える
1. そもそもオーディオインターフェースとは何をするものなのか?
オーディオインターフェースとは、アナログ音声(マイクや楽器)をPCで扱えるデジタル信号に変換する装置です。
具体的な役割は以下の通りです。
- マイクプリアンプ:マイクの微弱な信号を増幅して扱いやすくする
- AD/DA変換:アナログ→デジタル、デジタル→アナログの変換処理
- モニター出力:音をリアルタイムにモニタリング(遅延が少ない)
- ミキサー機能:複数の音源の音量バランスや音質を調整し、ミックスする
- ゲインコントロール、PAD、ファンタム電源などの補助機能
つまり、アナログ音声をPCに入力するための橋渡し役と言えます。
2. なぜ配信者にオーディオインターフェースは必須と言われ始めたのか?
これは、「USBマイクが今ほど高性能ではなかった時代」の名残ではないかと思います。
当時、まともなマイク音質を得るには、XLRマイク+オーディオインターフェースという構成がほぼ唯一の選択肢でした。
また、当時はソフトウェアが充実しておらず、コンプレッサーやEQなどを使いたい場合、ハードウェア側で処理するためにオーディオインターフェースが必須だったのです。
さらに、当時は配信者向けの機材の情報などがほとんど存在せず、調べても音楽制作のプロ機材をベースにした情報しかなかったため、「まずはオーディオインターフェースから買え」が半ば常識として定着していったのではないか、と考えています。
3. 現在、配信者にオーディオインターフェースは必須なのか?
結論から言うと、必須ではありません。その理由は以下のとおりです。
USBマイクが極めて高品質になってきた(Shure MV7+など)
かつては「USBマイク=手軽な代わりに音質が悪い」というイメージがありましたが、現在は全く持ってそうとは言い切れません。
例えば、現在多くの配信者が使っているUSBマイク「Shure MV7+」は、プロ用ポッドキャストマイクに匹敵する音質と機能性を持ち合わせています。
USBマイクならではの利点を活かした、自動ゲイン調整機能やデジタルエフェクターなど、マイクを扱いやすくする機能も充実しています。
最近はプロの現場でもよく見かけます。
ソフトウェアミキサー(OBS、Voicemeeterなど)の進化
かつては物理ミキサーやエフェクター、オーディオインターフェースを使ってしか実現できなかったような音声ルーティングやミックスが、今ではソフトウェアで簡単に可能になっています。
例えば、
- OBS:複数の音声フィルター(ノイズゲート、リミッター、EQなど)を、個別のアプリケーション音声ごとにプラグインなしで設定可能
- Voicemeeter:複数アプリの音声を自由にルーティングし、バランス調整が可能
つまり、「音を作る」部分がソフトだけで完結する時代に突入しているのです。
ノイズや遅延の少なさもUSBマイクで十分
一昔前は「USBマイク=遅延が大きい、ノイズが乗る」といった弱点がありましたが、現在のUSBマイクはその点も大幅に改善されています。
最近のUSBマイクは内部DSPやノイズフィルターを搭載したモデルも多く、配信に適した音質を安定して出力できます。リアルタイムモニター機能付きなら、遅延を感じることもありません。
これらの理由から、「USBマイクだけでも配信に必要十分」という状況が生まれています。
音質を本当に最大化したい場合(配信でどこまで効果があるかは疑問ですが)や、すでにXLRマイクを持っている場合を除けば、わざわざ高価なインターフェースを導入しなくても高音質な配信は実現可能です。
オーディオインターフェース=マイクプリアンプ?
これは個人的な感想ですが、多くの配信者はオーディオインターフェースのマイクプリアンプ機能しか使っていないというのが現状だと思います。せっかくオーディオインターフェースを導入しているのに、実際のミキシングや音声フィルターはOBSで行っている、というような配信者の方も多いのではないでしょうか。
それなら、マイクプリアンプ単体や、高品質USBマイクで代替できるのでは?という考え方も出てくるわけです。
無理にオーディオインターフェースを導入せずとも、音質と機能は今の機材で十分カバーできます。
オーディオインターフェース、本当に使いこなせていますか?
オーディオインターフェースを買う前に、予算配分の見直しを
多くの配信者はマイクとインターフェースの両方に予算を割り振って購入していますが、それよりも1本の高品質USBマイクに予算を集中した方が、最終的な音質が良くなるケースも多々あります。
例えば、私がおすすめするUSBマイク「Shure MV7+」は、2025/5/10現在Amazonで36,849円で販売されています。

対して、利用者が多い、かつ色々な配信者や解説サイトでおすすめされている「YAMAHA AG03 MK2(25,300円)」と「audio-technica AT2020(13,200円)」は、合わせて38,500円で購入することができます。

正直、個人宅での実況配信にコンデンサーマイクをおすすめしている時点でセンスないな、と感じる組み合わせではあるのですが、古から愛されている秘伝のタレみたいなものなので例として使わせてもらいました。
とにかくここで私が言いたいのは、どのような組み合わせになるにせよ「マイクとオーディオインターフェースを買うとなったら、予算は最低でも4万円ぐらいになるよね?」「その4万円をUSBマイクに突っ込んだらいいんじゃない?」ということです。
AG03 MK2とAT2020って、はっきり言ってエントリーモデルなわけですよ。これらを導入したところで得られる音質はたかが知れているわけで、マイクプリの品質は終わってるしソフトウェア的にもせいぜいちょっとイコライザーが使えるぐらい(ボロクソ)。
MV7+は文句なくUSBポッドキャストマイクの最高峰で、音質も機能も十分以上のものが備わっています。格で言えば3段ぐらい上です。
無理して「両方そこそこの機材」を買うよりも、「1本の良いUSBマイク」に予算を全力投入した方が、最終的な満足度は上がると思います。
結論:オーディオインターフェースは「必須」ではない
もちろん、ASMRや歌ってみた配信など、音質に極端にこだわるケースではインターフェースが必要な場面もあります(お金はかかるけど)。
しかし、大多数の配信者にとっては、もはやオーディオインターフェースは「必須」ではない時代になったといえるでしょう。
自分の配信スタイルと予算を見直して、最適な構成を選んでください。
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それでも「オーディオインターフェースが欲しい!」という方へ
ここまで読んでも「やっぱりオーディオインターフェースが欲しい!」という方は、おそらく以下のどれかに該当すると思います。
- すでにXLRマイクを持っていて、それを使い続けたい(お金に糸目はつけない)
- 音質に限界までこだわりたい(お金に糸目はつけない)
- 予算が無限に湧き出る石油王である(お金に糸目はつけない)
✅ Universal Audio Volt 176

マイクプリアンプとしての性能が高い。入出力は最低限。Voltシリーズはいくつか種類がありますが、配信用途であればVolt 176がベスト。
- 「Volt 1」との違いは76 COMP(アナログコンプレッサー回路)の有無
- 必要ないと思うけど、入出力がもっとほしい方は上位モデルをどうぞ
- マイク1本+モニター出力があれば足りる人に最適(ほとんどの配信者)
✅ RME Fireface UCX II

石油王のあなたに。究極の配信向けオーディオインターフェース。
Babyface Pro FSを使っている方も多い(私も過去使っていました)ですが、あちらはコンプレッサーをオーディオインターフェース内で使用することができません。
- 超高精度のクロックとAD/DA変換回路
- モニターの音質がかなり高音質
- 滅茶苦茶安定するドライバー
- 最高峰のミキサーソフト「TotalMix FX」(使い方難しいけど)
- 一度買えば数年使える耐久性と完成度
最近は値上げして在庫が安定したようです。良いのか悪いのか。
唯一の弱点は価格のみ。それ以外は完璧です。
おわりに
オーディオインターフェースは「買うべき機材」として語られることが多いですが、配信スタイルや予算次第では「買わない」方が賢い場合もあります。
迷ったらまずは、自分の用途に本当に必要か?を一度立ち止まって考えてみましょう。
オーディオインターフェース、本当に必要ですか?
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