17/18 ラ・リーガ第8節:アトレティコ・マドリードVSバルセロナ

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やろうやろうと思っていたマッチレビューがようやくできました。今回はアトレティコがバルサをホーム・ワンダメトロポリターノに迎えた一戦をマッチレビューしたいと思います。

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スタメン

アトレティコ・マドリー

いつも通りの平常運転です。特に解説することはないかと思いますが、フィリペ・ルイス&ファンフランの両SBが先発ってことでもちろんアトレティコは本気モードです。

バルセロナ

フォーメーション表は4-3-3ですが、実際は守備時は4-4-2、攻撃時は両SBを押し上げてメッシをトップ下のように使う陣形が多く見られました。

ボールは持てるが攻めれないバルサ

前半2分の陣形。いつも通り自陣撤退したアトレティコと、ボールを持って崩しにかかるバルサって感じですね。この場面を見ていただければわかりますが、中にパスコースがないのでどうしてもサイドに展開するしかありません。今シーズンのバイエルンvsホッフェンハイムの試合でも見られましたが、ボールが両サイドを行き来する展開が続きます。この場面でも左のジョルディ・アルバへ。

ただ、アトレティコも1対2の状況を作って対応していきます。流石にここは独力突破できないので後ろのイニエスタに預けてパス&ゴー。ファンフランはアルバにつくことを選択。

ここはイニエスタにコケがしっかり寄せて対応。

イニエスタは縦の突破を試みますが・・・

そりゃ流石に無茶でしょ。

といっても、これはイニエスタが悪いというより、バルサのチーム全体の距離感・ポジショニングが悪く、ポゼッションの基本であるトライアングルがめちゃくちゃ少ないのが原因です。なので、パスを出そうと思っても有効なパスコースがそもそもないんですよね。このあたりのお話は後述。

うまくいかないバルサとは対象的に、アトレティコは自陣や前線からのプレッシングからの奪ったカウンターでチャンスを作っていきます。場面はバルサのスローインからプレッシングでチャンスを作ったシーン。

ピケのスローインから。

テアシュテーゲンにボールが渡ります。ここにはグリーズマンがプレスに行きます。ここで、コレアも寄せてくることで必然的にGKからみて左に展開させるように誘導します。ここでは思惑通りテアシュテーゲンは左へ展開。

ウムティティにボールが渡った場面。この時既に2列目の選手がプレスに向かっています。コースを絞ることで自信を持ってプレスがかけられます。

ここから先に展開するのは流石に厳しいと判断。後ろに下げます。

キーパーに一旦戻します。ただ、アトレティコのプレスはここでは終わりません。

ここではコレアが追い続けます。

たまらず逆サイドに展開しますが、ここでもグリーズマンとカラスコがプレスをかけます。

敵陣なのに1人1人それぞれマンマークのようについていますので、ピケも流石にここからつなぐのは無理と判断。一旦前線へ向かって蹴り出しますが・・・

パスコースを限定しているので、最終ラインのゴディンも自信をもって飛び出せます。メッシとゴディンで競り合ったらそりゃゴディンは勝つべ。

ヘディングで繋いだボールはコレアの元へ。

得点には繋がらなかったですが、ほぼGKと1対1の場面を作れました。

バルサは本当に堅守なのか?

守備時は基本的に4-4or4-3の2ラインで守るバルサ。一部メディアでは数字だけあげて「堅守」と言っているそうですが、果たして本当にそうなのかと。試合の一部を切り取ってみます。

この場面ではラキティッチがボールホルダーに寄せているので4-3のブロック。

この時点でフィリペ・ルイスには外のカラスコと内のコレアの2つの選択肢がありました。守備の定石で言えば、内を切るのが基本ですが・・・

あっさり通されてしまいます。受けたコレアも一発で反転して裏を取りにいきます。

ピケが飛び出しますが止められず。バルサは後追い守備になってしまいました。前ではグリーズマンが完璧な体勢でボールを受ける準備が既に整っています。

GKがシュテーゲンで良かったね。

とまあ、4-3のライン守備をみていただきましたが、スペースの埋め方や基礎的な優先順位などまだまだ足りてないところがたくさんあると思うんですよね。

もう一つ4-3時の守備を御覧いただきましょう。

前半開始直後はこの形で守備をするバルサがよく見られました。アトレティコがよくボールを奪えていたのもありますが。

この場面見ていただけるとわかると思うのですが、3センターの距離感がちょっと離れているんじゃないかなと。少なくともCLクラスの相手ならここからバイタルに通すなんて屁の河童なわけです。

ここでグリーズマンに前を向かれるわけには行かないのでウムティティが寄せに行きますが、ここでグリーズマンはフリックパスを選択。

バスはDFに当たって弾かれてしまいますが、通ってたら確実にシュートまで持って行かれていました。

しかも、この状態で弾き返してもですね・・・

2トップが守備する気0なので、セカンドボールはアトレティコが拾えちゃうわけです。この場面では最終ラインからまたまた飛び出してきたゴディン大先生が頭でパス。

バイタルで前向けちゃいました。まあ、ここにラキティッチがついていけなかったのは仕方ないかなとも思います。ただこの場面は・・・

ピケ「俺が止めたる!!」

ズサーッ!!!

シュートまで持って行かれてしまいました。

結局、バルサは攻撃でも守備でも個の力に頼っているフシがあるので、個がかわされると即ピンチなわけです。アトレティコが得点するのも時間の問題かなーと思ってたところで予想通りアトレティコが先制します。

アトレティコの先制シーン

場面はボールを奪い取ったアトレティコが持って崩す場面。この場面は「持たされている」のではなく「自分たちの意図したとおりの展開でボールが持てている」のがポイントです。

バルサはこの場面では4-4-2で迎え撃ちます。一見、ハイラインでコンパクトなように見えますね。

ボールはフィリペ・ルイスへ。

ここにはゴメスとラキティッチの2枚で当たりに行きます。ここでフィリペ・ルイスからサウールへパスが出ます。ここでスアレスが黄色の矢印の向きにカットすればボールを奪える・・・

って、ラキティッチお前が行くんかいっ!www

いやー流石大御所2トップは格が違いますね。その甘さが失点につながってしまうわけですが。

ボールはサウールを経由して右サイドへ。サイドチェンジで揺さぶって行きます。

バルサも横スライドで対応します。

ここまで落ちてきていたグリーズマンへ。アトレティコのポジショニングは悪くないと思います。この場面でも、

①サイド

②中央

③預けどころ(バックパス)

④ドリブル

等の複数の選択肢がグリーズマンにはあります。ここではサウールに預けてパス&ゴー。

ただここはブスケッツがコースを消す守備で対応。

この場面も、もしアトレティコだったら2トップの内どちらかがボールホルダーにプレッシャーをかける場面ですが・・・メッシ先生は相変わらず微動だにせず。その甘さが失点に(ry

またラキティッチが寄せてきたところで再度左へ展開。ここでアンドレ・ゴメスの対応が試されます。具体的に言えば、パスの入るフィリペ・ルイスへの寄せ方ですね。

ゴメスはここでカラスコが内のスペースに入ってくる動きを把握できておらず、フィリペ・ルイスについていってしまいました。となると・・・

ゴメスの体の向きを見ていただければわかりますが、完全に剥がされました。仕方ないのでカラスコにはセメドが寄せに行きます。そしてパスの出し手だったサウールもサポートに来ます。このクラスの選手がバイタルにぽっかり開いた黄色のスペースを見逃すわけがありませんね。

ラキティッチもボールに行ってしまったため、サウールが空きました。カラスコからスペースで前を向いたサウールにパス。ここはブスケッツがこのスペースを埋めてイニエスタが中に絞っておくべきだったかなあと思います。「バイタルで前を向かす危険性」を一番わかっているチームはお前らじゃないかと。

こうなったら流石にセメドもラキティッチもこれは追いきれませんし、ブスケッツもスペースを埋めてないのでサウールにキーパーの立ち位置やシュートコースを見る余裕が生まれてしまいました。CBもグリーズマンとコレアがいるので迂闊に飛び出して裏を取られたらGKと1対1になってしまうので迷いが生じます。ピケは一瞬迷って飛び出しましたが・・・、一瞬迷ったお陰でサウールに余裕が生まれました。

ちゅどーん。右ポストギリギリを狙ったサウールのゴラッソでアトレティコ先制です。

上空からの映像ですが、ほんとここしかないってところに決めましたね。流石ゴラッソ製造機です。

1点を獲ったことで完全にアトレティコペースに。

というわけで、この場面だけでも数字だけで堅守と言うのは流石に違うんではないかと思うのですよ。穴ぽこだらけではないかと。

アトレティコの守備と明確なカウンター

さて、ここで対象的なアトレティコの守備と、それを攻撃につなげる緻密な戦術を見ていきましょう。

アトレティコの守備ってのは本当に参考になるというか、まさにお手本です。4アトレティコの4-4-2は世間一般のチームが用いる4-4-2とは雲泥の差があります。

今の守備は「ゾーン+マンツーマン」が主流です。ゾーンで待ち構えて、ボールが入ったら狩る・・・というのが現代サッカーの守備の基本です。

ただ、これはある程度のレベルのチームになればよく見られるものです。ですが、これがアトレティコになるとどうなるのか?というのを見てみましょう。

失点後、左から右に攻めるバルサ。

絶対条件として、「DFラインとMFラインの間=バイタルエリアでボールを受けさせない」or「わざと受けさせるようにして狩る」という2つのパターンがあります。バルサからしたらこっからダイレクトに真ん中を割るのは難しいですね。なので外のラキティッチを選択。

ラキティッチには2つのコースがありますが、バルサが外から単純にクロスを上げても得点になる確率は低いので普通に考えて中に入れますね。でもこれは罠なわけで・・・

完全に読んでカット。カウンターに繋がりました。

もう一つのシーンを見ていただきましょう。

2CBでメッシ、2ボランチでスアレス、右SBが相手の左SBを見る形。イニエスタにはSHがつきます。ゴメスには明確なマークはついていませんが、ゴメスにボールが入りそうな臭いを感じると左SHと左SBがちゃっかりインターセプトを狙う動きを見せていました。

この場面、平然と2トップが戻って守備に参加しているんですよね。グリーズマンはカウンターに備えて若干高めの位置についていますが、コレアなんかは完全にブロックに加わっています。こういう献身的な動きというのをやってくれるFWがいるとチームは助かりますね。

さて、パスコースが全く無いのでイニエスタはブスケッツにバックパス。ここでもトライアングルが全くありません。

メッシが動き出していますが、2CBがちゃんと反応していますね。流石にコレは無理と判断したブスケッツはセメドに。

セメド「ゴメスのコースが空いてる!通したろ!」

ゴメス「よし、貰っt・・・」

フィリペ・ルイス&ゴディン「フンッ!」

ゴメス「( ゚∀゚)・∵. グハッ!!」

この2人で挟むのは反則でしょ。

まあ仮にここでラキティッチにパスしてクロス上げたところで・・・

これで空中戦って流石に無茶があるんじゃないですかね。

バルサのポゼッション率が70%あたりになる時間帯もありましたが、「どうせお前ら最後はメッシ様かスアレス様に任せるしかないだろ」と割り切って対応していました。まあ実際そのとおりですしね。その為、メッシへパス→狩ってカウンターという場面が後半もよく見られました。

パスが回らないバルサ

確かにアトレティコのプレスや守備組織の構築度の高さという理由もありますが、それ以前にバルサがボールを回せない理由がありました。先程からちょいちょい言っているとおり、パス回しに必要なトライアングルがめちゃくちゃ少ないんですよね。本来、バルサってのは位置的優位(ポジショニング)と質的優位(個の技術)を両立させて戦ってたチームなわけですが、今となってはFWの質的優位だけで戦っているようなものです。それがよく分かる場面を。

場面はカウンターを受けたバルサが攻め直す場面です。ボールを持っているのは我慢できなくて降りてきたメッシ。

この場面ですが、流石にメッシへのサポートが薄すぎません?黄色の丸で囲ったあたりの選手がもうちょっと寄ってきてもいいんじゃないかなと。SBは幅を取るために外に張らなきゃいけないのはわかるけど。唯一いい位置にいるのがイニエスタってのがこれまたねえ・・・

結局一人でボール運ぶメッシ。んで唯一サポートしてるイニエスタへのパス。

イニエスタもドリブルで運ぶしかありません。

アトレティコの戻りが間に合います。

ここでも・・・パスコース少なすぎません?もうメッシしかいないじゃないですか。この状況でメッシにパス出してもアトレティコからしたら待ってましたということで・・・

インターセプトしちゃうよねー。

CBがピケで良かったねという感じです。一点入ってもおかしくなかった(アトレティコからしたら決めたかった)。

とにかくバルサがボールを回せない=アトレティコのカウンターチャンスが増えるってことで、この試合は何回もカウンターチャンスがアトレティコにはありました。最後の最後2CBで耐えきっていましたが。逆にここを決めきれなかったアトレティコも反省の余地はあるかなと思います。

とりあえずバルサは基本に立ち返って、自分たちでボールを回せるようにするってのが目下最優先事項です。ポジショニングで世界の頂点に君臨していたチームがコレですかと。そういう「トータルで見たら収支プラスサッカー」は白いチームだけで十分です。そもそも、イニエスタが死んでパウリーニョやラキティッチが活きるバルサのサッカーってどうなの?と。圧倒的なボールポゼッションで試合を支配するド変態サッカーがバルサのサッカーだろうと。イニエスタが一発勝負スルーパスしかできないマンみたいになっているのが我慢ならないんです。

結局試合は放り込んだクロスにスアレスが個人技(外に動き出して中に入って頭で合わせるやつ)で同点にして、ここぞとばかりに猛攻を仕掛けるバルサをなんとか防ぎきって引き分け。アトレティコは終盤まで完全に自分たちの流れでゲームを支配できていただけに勝ちたかった試合でした。

まとめ

アトレティコは取りこぼしさえしなければ国内リーグはまたいつもの位置でゴールできそうな感じはします。CLはちょっと取りこぼしが続いてますから厳しいですね・・・。やはり、ボールを持たされたときの動きをもう少し増やさないとCLレベルの相手には辛いかなと思います。取り組んでいるのは分かるんですけどね。

バルセロナは・・・、とりあえず堅守とは名ばかりのハリボテサッカーってのはよくわかったと思います。パスが回らないバルサってなんやねん。コントじゃあるまいし。国内の中堅~下位チームには質的優位で勝てるかもしれませんが、CLはこれだと今年も厳しいんじゃないですかねえ。とにかく、バルサには「圧倒的に美しく、そして強いフットボール」を見せていただきたいと思います。ええ。

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